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「素晴らしい、素晴らしいとは思いませんか?」
黒髪赤目の男が言った。
「これから始まるのは、多くの者の平穏を崩す楽しいゲーム。そんな楽しいゲームを主催、参加できるなんて我々はどれだけ幸せなのでしょうか。神に感謝しなければなりません」
男は両手を大きく広げて天を仰いだ。
「……お前は気楽でいい。たが、悪魔のお前が神に感謝するのはおかしくないか」
金髪の青年が口を開く。
「堕天使の貴方にはわかりませんか? この喜びが」
黒髪の男が青年の方に振り返る。
「他の悪魔にもお前の変わった……いや、狂った性格は理解できないだろう」
青年は背中に生えた黒い翼を広げた。
男は残念そうな目で青年を見つめる。
「貴方にも理解できませんか…………ですが結構、たとえ狂っていると言われようが私は私の本能に嘘はつきません。たとえこの身が滅ぼされようとも私は私が思う快楽を求めて行きましょう」
男は笑いながら闇に覆われた夜空を眺めた。
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