プロローグ

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ゲームに集中していて部屋に侵入したヤツのことに気づかなかった。 そのせいなのかヤツは少し強い口調でこう言った。 「お前が王心か?」 と、とても低い声でただそれだけ。 王心とは俺の名前だ。もちろん俺が名字で心が名前。名前は心と書いてシンと読む。 名字が王のせいであだ名は昔から貞治であった。このあだ名は俺自身気に入っていない。 名字が王だからといって大層なあだ名を付けられても困る。俺には心という立派な名前があるのだから。 一人だと思っていた部屋に別の人がいることに気づいた俺は驚きながらヤツの顔を見た。 そう、威厳ある声で喋るヤツの姿は…… 青いボディに二等身。 それは誰が見てもペンギンだった……。
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