君と薔薇のヴァイオリンソナタ
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不覚にも、 見とれてしまった。 その光景が あまりに美しくて 天国にいるようだった。 …風が止む。 音楽が 途切れた。 天使がこちらを振り向く。 なびく茶色い髪をかきあげて。 そんな仕草さえ綺麗だと思える。 整った顔立ち 作り物のように澄んだ黒い瞳がこちらを見つめ 唇が動く。 「…だぁれ?」
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