君と薔薇のヴァイオリンソナタ

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  「……帰ろっかな」 「ふぇえぇえぇえぇん!」 ばこっ 「ぐぇっ!」 予想はしてたが鉄拳。 いでぇ。 泣いてるわりには強ぇ。 「なぁおい!わかったから泣き止めって!っていうかなんで…」 なんで… なんでこいつは泣いてるんだ? なんで俺はこんな奴のおもりをしているんだ? なんで俺は真っ直ぐ家に帰らなかったんだ? なんでここはこんなに懐かしいんだ? なんで4位なんだ? なんで俺はそれでも弾き続けるんだ…? 頭痛が… 演奏してたときには忘れてた頭痛が、戻ってきた。 とりあえず、疑問は焦らずひとつずつ解決すべきだな。 「ふぅ…。あのさぁ、君なんで泣いてんの?」 「うぇ…ひっく」 震える指先が指し示したのは もちろん… 「俺!?」  
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