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「えっ何 俺が悪いの!?」
こくん。
「なんで!?俺何した?」
ここは謝るところだろうか…。
相変わらず泣き続ける彼女は
口を開く様子が
一向に見られない。
こういう時には
一体どうすれば…。
「あ。」
ヴィオラを置いて、今度は
自分の楽器ケースを開いた。
弓に松脂を塗り、楽器を構えて
彼女の隣にしゃがんで、
膝を地面に付いた状態のまま
バイオリンを弾き始めた。
~♪
『ねこふんじゃった』
ピアノ曲だが即興で
バイオリン用にアレンジ。
器用に重音を使って
ピアノのように軽やかに。
ははっ バイオリンで
『ねこふんじゃった』なんて
ガキみたいだな。
だけど笑ってる。
彼女、笑ってる。
単純だなぁ、こいつが一番
ガキみたいだ。
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