君と薔薇のヴァイオリンソナタ

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  隣には笑顔で聴いてるこいつ。 なんか楽しい。 人間は嫌い、 女はもっと嫌いだ。 でも嫌いじゃない人間が いるとしたら、それは 純粋で無知な子どもだ。 怒ったり泣いたり笑ったり 変な奴だな。 ぱちぱちぱち… 演奏が終わると、そいつは けろりとして手を叩いた。 「やっぱりすごい…!」 「…なんなの君」 「いや…なんとなく懐かしくって。私もよくわかんないんだけどちょっと泣けてきちゃったの」 懐かしくて…か。 納得はできないが わからないでもない。 現に俺もさっき…。 「だけどちょっととかいう次元じゃねぇよ…号泣じゃん!」 「まぁ細かいことは気にしない!それより、上手いんだね、バイオリン!」  
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