61人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
お互い高校生だ。
平日は学校があるのは当然だろう。こいつはなんでこんな時間にここにいる?
「私?私はサボりだよ」
まさか。
「お前それ、なんたら女学院の制服だろ。品行方正の令嬢どもの一員だろ」
「えっとね…、話すと長いんだな。まぁとにかく、単位はもらえるから午前中はここにいても問題ナシなの。
だから毎日来てるの」
なんだかよくわからない。
気にならなくはないが、
俺自身も説明する気はないからお互いさまだろう。
「かなたくんは?」
「あー…俺もまぁ似たような感じかな。」
「じゃあお互いワケありね」
さくはいたずらっぽくニヤッと笑って見せた。
「そんなとこか」
結局何も教え合っちゃいないのに、なぜかひとつの秘密を共有したような、変な気分だ。
最初のコメントを投稿しよう!