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さくが自分の手でかき上げた前髪の下から現れた額に、俺は手のひらを当てる。
が、手が冷たいせいで
よくわからない。
しょうがないから自分の額を
さくの額に当ててみた。
「ふぇえっ…かっかなたくっ
あぅっあのっ」
「騒ぐな」
うーんやっぱり少し
熱があるかもしれない。
俺は額を離した。
「熱い。…そういえば顔も赤いぞ、風邪だな」
「かっ顔赤いってっそれは
かなたくんの…」
「おい…頭ふらふらしてんじゃないのか?大丈夫か」
見るからにさくは顔が赤く、
足元がふらついている。
そういえば昨日は暖かかったとは言え真冬の戸外でコートも着ないで昼寝してたんだったな。
そりゃあ風邪をひくのも無理ないだろう。
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