アリアの海で契約を

12/17

61人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
  さくが自分の手でかき上げた前髪の下から現れた額に、俺は手のひらを当てる。 が、手が冷たいせいで よくわからない。 しょうがないから自分の額を さくの額に当ててみた。 「ふぇえっ…かっかなたくっ あぅっあのっ」 「騒ぐな」 うーんやっぱり少し 熱があるかもしれない。 俺は額を離した。 「熱い。…そういえば顔も赤いぞ、風邪だな」 「かっ顔赤いってっそれは かなたくんの…」 「おい…頭ふらふらしてんじゃないのか?大丈夫か」 見るからにさくは顔が赤く、 足元がふらついている。 そういえば昨日は暖かかったとは言え真冬の戸外でコートも着ないで昼寝してたんだったな。 そりゃあ風邪をひくのも無理ないだろう。  
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加