アリアの海で契約を

14/17

61人が本棚に入れています
本棚に追加
/75ページ
  「ほえぇえぇぅえ…!?」 さくがまた素っ頓狂な 悲鳴を上げた。 こんな状態なんだから 放っておくわけにはいかないだろう。 楽器は命の次に大事な ものだから置いていくわけにもいかないので、 必然的に大荷物になるが、 俺も一応男だ。 「おぶってってやるから乗れ。どっかでタクシー捕まえるからそれまで我慢しろな」 「…~っ」 完全に目を回してる。 おい!と急かすと、さくは ようやくのろのろと動き出して 俺の背中にしがみついた。 「わ私っ重いよ…?」 「よいしょっ…と」 正直、軽い。 それに、熱があるせいで 背中がすごく温かい。 嫌な気分じゃなかった。 そのまま公園を出て、 駅の方向にしばらく歩くと 運良くタクシーを拾えた。  
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

61人が本棚に入れています
本棚に追加