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「ほんとにもう元気か?
無理して倒れられても
困るからな」
一応念を押しておく。
「大丈夫だって!
ほら、この通り」
そう言ってさくは両の拳を持ち上げて見せる。
俺はふっと笑って立ち上がった。
座ったまま俺を見上げるさくを、俺は見下ろして腕組みしながら偉そうに口を開く。
「よし、じゃあやるか!
俺様が直々に練ってきた
地獄の基礎練特訓
メニューだ!」
見開いたさくの目の前に、昨夜睡眠時間を削ってまで作った練習メニュー表を突きつける。
「ええぇぇ~……」
その悲鳴はフェードアウトしていき、さくは力が抜けたみたいに後ろにパタンと倒れ込んだ。
「このくらいまだまだだぞ。
慣れてきたらもっと練習増やすからな!
それに俺様の指導がついてるんだから大丈夫だ。
もちろんスパルタだけどな」
「いやあぁぁ―」
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