two

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「お前なぁー、後で愚痴愚痴言われんのは俺なんだぞ?」 「…………」 「いい加減にしねぇと宿題増やすぞ」 「…ごめんなさい」 「あ?やけに素直だな。ま、それで帰すほど俺は甘くねぇけど」 「ごめんなさい…っ」 「泣き真似なんか通用しねぇ」 俺の秘技まで引っ張りだしたさっちゃんは、そんな無慈悲なことを言う。 いや、も、ホント帰りたい。 「会長様はまだかねぇ」 「来るな…このまま来るな…来たら殺す」 「呪訴吐くな、空気が重くなる」 俺が連れてこられたのは生徒会室だった。まさに反省には打って付け。俺が生徒会に行きたくなくて例のチケットを渡したということにさっちゃんは気付いてしまったらしい。俺が嫌がるのを知って尚ここに連れてくるとか鬼かよ、今日の手紙はさっちゃんの靴箱行き決定。 「つか…なんで会長さまが来るのさ」 「あぁ、チケットを大量に渡して注文よろしくって言ったら案の定驚かれてさ、このチケット見つけたの誰だってそりゃもうすんごい顔で迫られたわけよ。んで今日はここにチケット見つけたやつを連れてくるって約束したからな」 「…生徒売るとか最低だよ、さっちゃん」 「売ってねぇ。これは会長直々の呼び出しだ」 「悪いことしてねぇのに…チケット見つけたくらいで呼び出しとかまじ勘弁」 「授業ぶっ潰してたやつが何を言うか。反省しろ、反省」 「会長関係ないじゃん!!さっちゃんのばかぁ!!」 「あっ!!おいこら逃げるな!!」 隙を見て脱出。 のはずだったが、反射神経の素晴らしいさっちゃんに呆気なく捕まってしまう。だが俺もこのまま終わるような男じゃない。 会長が来る前に抵抗して抵抗してこの部屋から逃げてやる。 「放せよっ!!さっちゃんのエッチィ!!」 「ばっ!!?てめぇ誤解するようなこと言うんじゃねぇ!!」 いやいやと首を振って、涙目を作って抵抗する。 力付くでさっちゃんに腕を拘束され、腹に乗られてしまえば逃げることは不可能だ。それでも俺は必死に足をバタつかせて抵抗した。 ちょっとこの光景他人が見たらヤバいんじゃないか?と考えつつ、それもいいかもとさらには目から涙を流してみる。 「はっ、役者だなヒロト。逃がさねぇよ」 「やだぁっ!!さっちゃんの馬鹿!!信じてたのに!!」 「だから誤解を生むようなこと…を…」 さーっ、とさっちゃんの表情から血の気が下がったのが分かった。拘束の手も緩み、どうしたのかとその視線を追って首をひねってみる。 「わぁ…」 四つの目が、そこにはあった。
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