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表示された文字に、がっかりと肩が下がったのが自分でも分かった。色とりどりに飾られた文字、写真、リンク用のURL。 これは俺の期待していたあれではない。ただの広告メールだ。 「はぁ…」 そのアドレスからのメールを拒否する設定を施す。こうやって何度も何度も繰り返しているうちに、広告メールやらのそれは数を無くし、最近ではもうないなと思っていたくらいなのに。 だからか、新着メールという文字は思った以上に俺に衝撃を与えてくれた。だってこのメアドを知るものは片手に足りるくらいだ。これから先も、それ以上の誰かに教えるつもりなどない。 用をなくした携帯は再び充電器を差しベッドの上へ。持ち運ぶことはしない。だって、俺が待っているメールは絶対昼にくることなんてないのだから。 「お前まだ着替えてねぇのかよ」 「今着替えますー」 がちゃりと扉が開いて、眉を寄せた大介ちゃんの顔がひょっこりあらわれた。 すいませんね、ノロマで。 「10秒で行く」 「…1、」 そう宣言すれば、律儀にも声を出しながら数える大介はやっぱいい子だ。まぁ追い詰められる感がないわけでもないけど。とにかくドSではないことは確かだ。 「おわたー」 「、10。ぴったりだな」 早く出来るなら最初から早くやっとけよ、なんて言われても俺の性格上無理だと分からないのかな大介。いや分かってるな、この顔は。 だって呆れた視線を感じる。 「何睨んでんだ、早く行くぞ」 「はーい」 カードキー持って、カバン持って。大介ちゃんと一緒に廊下を歩く。やっぱり昨日の交流会の効果もあってちょっかいを出そうなんて考えるやつはいないみたいだ。見せしめってやっぱ大切だよねー。 交流会。そこでふと思い出した。 「大介ちゃん大介ちゃん」 「あ?」 「交流会でさ、拾ったチケットはどこで交換すればいいの?ちなみに売っても問題はないよね?」 「あぁ、それか。生徒会室に直接か、または生徒会顧問か」 「…それ、すっごい混雑するんじゃない?」 「チケット見つけられるヤツ少ねぇから平気だろ」 「…………」 そっかそっか。 あれ、見つけにくい場所に隠したつもりだったんだ、へぇ~。まぁ確かに木のねっこの下とかはさ、取るのに手汚しちゃったけど。 「ところで大介ちゃん、ソファに困ってはいないかね」 俺の突然な問いに、大介ははぁ?と眉をしかめた。
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