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高校二年の夏にあった学校の二者面談で、担任の先生に母のことを聞かれた時は少し驚いた。
学校にまで、母のことが知られているとは思わなかった。
戸惑った私は
「大丈夫ですから」
そう言いたかった。
だけども言えなかった。
急に涙が溢れてきて、嗚咽が邪魔をした。
視界が涙で霞む。
先生はそんな私に言った。
「お前はな、いつも笑っているけど俺にはそれが誤魔化して笑っているようにしか見えない」
図星、だった。
私は話したくないことを誤魔化す時、無理に笑っていた。
そうすれば…、そうしなければいつもの自分を保てなかった。
暫く私は何も言えず、静かな教室の中で泣き続けた。
私が泣き止むまで先生は黙って見守ってくれていて。
机の上に落ちた滴が、キラキラと輝いていた。
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