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母が原因で、何度も泣いた。
その度に私は泣いている自分を叱った。
…彼女が私に最後にご飯を作ってくれたのはいつだろう?
私を言葉で罵ることを始めたのはいつから?
二人でテレビを見て笑いあっていたあの日はどこにいった?
…考えればキリがない。
過去を羨んでもしょうがないことくらい分かっている。
寒空の下、母の迎えを待って凍えていた時は哀しくはなかった。
迎えに来てくれる、それだけで充分だと思えた。
結局私はただ愛が欲しいだけなのかもしれない。
溝を深くしているのは、私自身なのに。
いつか、分かりあえる日がくるだろうか。
また一緒に買い物に行きたい。
少しでもいいから、口論以外の会話をしたい。
思うだけじゃ駄目だと分かっていても、今の私にはそうすることしかできない。
それでも願おう。
いつかもう一度、母が私を見てくれることを…―。
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