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ある時、誰かが言った。
猫になりたい、と――
人間が猫になる。あり得ない話だ、不可能だ、などと私は思っていた。
現実的に考えても人間が猫になるなんてどう考えても無理だ。あらゆる方面から考えてみても最終的に行き着くのは『無理』や『不可能』といった言葉だ。
夢がない、そう言われても仕方ない。あるはずがないのだから、夢以前の問題だ。
猫になりたいとも思わない。私は、今の人間の姿で満足しているのだから当然だ。
しかし、それらの考えはものの見事に打ち砕かれた。
そう、全てはあの日からはじまったのだ――
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