始まりはその日から

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 ……。    何故だ。訳分からん。私は昨日、普通に起きて普通に朝食を食べて、普通に読書し普通に昼食を頂き、普通に散歩し普通に夕食を食べ、普通に寝たはずだ。    普段と何ら変わらない普通の生活をしていたはずだ。普通の生活すぎて『普通』という文字を使い過ぎたではないか。一体どうしてくれる!?      ……いかんな。一人でボケても面白くも何ともない。ただ、虚しいだけだ。    しかし何故だ?    今日も普段と変わらない生活を送るはずだったのに、朝起きたら何故か猫になっていた。    何故、猫か解るかというと起きたら世界が大きい。不思議に思ってベットから出てみると視界が低い。ふと足元を視ると毛で覆われた手、いや足か。    流石にここまで来ると頭が混乱してきた。急いで鏡の前に行き、姿を写すとそこに居たのは一匹の黒猫。    何だ猫か……って何だとー!?    猫!? 私は今、鏡の目の前にいるはずだ。よって鏡には私の姿が写るはず。なのに鏡には猫の姿。    試しに右手を上げてみると鏡の猫は左手を上げた。うん、鏡に異常はないな。では夢か? 試しに頬をつねって……って、この肉球のある手じゃ摘めんか。ふと横をみると尻尾が私の尾てい骨辺りから生えている。試しに踏んでみた。結果は痛い。  どうやら嘘偽りなく私は猫になってしまっているようだ。
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