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『俺、琴音ちゃんに惚れましたー♪』 朔が理事長にそう報告すると理事長は『お、そうか…他の奴はどうだ?』と嬉しそうに聞いた。 『俺は…少しだけ』 『僕はいつでも恍輝兄さんだけだから興味ないね』 『私は素敵な方だなぁと思ったくらいですよ』 恍輝、梭樛、風月の順番で答えを出す。 『ほぉー…じゃあ梭樛以外は一応脈ありとみた…異論はないな?』 理事長が言う言葉に、琴音は相変わらず頭の上に?マークを浮かべたままだが静かに話を聞いている。 『つか、恍輝兄さん!!どーゆう事だよ!!嘘だろ!?こんな地味女の何処が良いんだよ!!』 梭樛は兄である恍輝の発言を思い出したのか、恍輝に向かって声を荒げた。 『梭樛、理事長の前だ…大声を出すな、そして琴音の事を悪く言うな。』 恍輝は諭す様に梭樛に言い聞かせると、梭樛は嫌そうな顔をしたが、諦めたのか落ち着きを取り戻した。 『私は異論ないですよ、逆にこれだけライバルが多いと手に入れるのが大変そうですがね。』 風月が理事長に言った後に恍輝も『確かにな』と付け加え、朔も『頑張らなきゃなぁ♪』と続いた。 「あのー…お取り込み中すいません…私はどうすれば良いんでしょうか?」 琴音は恐る恐る声を掛けると、話し込んでいた皆が一斉にこっちを向いた為、ビクッと肩を震わせる。 『悪い、悪い…柊は残れ話しがある。四人はちと外に出てろ、聞き耳立てんじゃねぇーぞ?』 理事長は琴音と四人に指示を出し、四人に向かって手を払う動作をした。 “早く出ていけ、邪魔” そんな雰囲気を漂わせていたため、誰も反論せず素直に部屋から出て行った。
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