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『よし、出て行ったか…ちょっと待ってろよ?』
理事長は四人が出て行くのをちゃんと確認した後、待つ様に指示をした。
広い理事長室の中にもう一つの扉があり、その扉を開くと。
琴音(まだ部屋あったんだ)
琴音は相変わらず違う事を考えながら、扉の先を見た瞬間、目を見開き絶句した。
「…っ!!お父さん!?」
しばらく呆然と立ち尽くした後、素頓狂な声をあげた。
『よぉー、相変わらずダセェ格好だなぁ…にしても、てめぇに“お父さん”は似合わねぇな』
娘の格好にケチつけるこの人は、名を恵士(ケイシ)といい琴音の父親である。
「お父さんがしろって言ったんでしょ!?ダセェとか言われる筋合ないよ!!しかも、公共の場で“親父”とか言えるわけないでしょ!?」
『まぁ積もる話もあるだろうから、来てもらったんだ。』
琴音が恵士の言った事に言い返すと、理事長が来てもらった理由を言った。
「あ…すいません、理事長が居る前で。」
琴音が素直に謝ると、恵士が突っ込みをいれた。
『気持ち悪いな、普段通りにしやがれ。』
娘に対してなんたる暴言、恵士は言った事に悪びれる素振りも見せずにいる。
「…お父さんはちょっと黙ってて、で理事長…話しはなんですか?」
琴音は恵士を黙らせ、理事長に話を振る。
恵士は言われた通り、つまらなさそうな顔をしながらも黙る。
理事長はとても笑顔で、話を始めた。
『琴音ちゃんに関する事はこっちで調べさせてもらったよ、そして琴音ちゃんが来る前に親父さんに来てもらって編入する理由も聞いた。本来、途中からの編入は認めてないんだ。元々男子校だったからな、女子が少ねぇーんだ…で、今回は特別でな。親父さんから聞いた理由と、あとはあたしが気に入ったから入学を許可したんだよ。…まぁこの学園では琴音ちゃんの扱いは【姫】に当たる。ホントは【お嬢】とでも呼んだ方が良いんだろうが…琴音ちゃんが嫌だろ?だから、大体の野郎には【姫】って呼ばれる事になる…まぁ女子からは普通だろうが、苛められたらあたしに言えよ?自分で解決しようとするなよ?』
長々と理事長が話した後、真剣な顔で言った言葉に琴音は驚いた。
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