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「お父さんから…どんな理由を聞いたんですか?…苛めの件については、ちゃんと相談する様に努めます。」 琴音は俯きながら返答し、理事長に質問をした。 その質問に理事長は笑いながら答えた。 『親父さんがどうゆう理由を言ったのかは本人に聞けば良いんじゃないのか?』 恵士は面倒くさそうな顔をしながら『仕方ねぇーか…』と呟き、理事長に言った理由を話し出した。 『てめぇーはキレると俺ですら手が付けられねぇー程のじゃじゃ馬だ…なのに前居た学校でキレて大暴れしただろーが。そりゃあ俺の家は極道だ…キレたらどうしょうもねぇーのは分かるがな、人様に怪我させちゃあいけねぇーよ。学校側の対処が謹慎処分だったにしろ、怪我したとこの親は黙っちゃいねぇーだろ。親の抗議で結局は退学になっちまっただろ…てめぇーは何回繰り返したと思ってやがる?小・中・高…今まで合わせて結構転校繰り返してきただろ、全部てめぇーの行為で。そりゃ俺はてめぇーが悪くねぇーと思うがな、俺の家の決まり忘れたか?【自分から手を出さない事、売られた時だけ買うこと。絶対売ってはならない】ってあんだろ?これは柊組の中での決まりだ。で、もう行く場所がないだろうと思って棗に聞いたんだよ。 『このあたりに学校はねぇーか、娘を通わせたいんだ』ってな…そしたら棗が『あたしんとこ来い、あたしの学園なら大丈夫だろ』って言ってくれたんだよ。棗は俺のダチでな、昔っからの付き合いがあったんだよ。まぁ、この学園で最後だ…次はねぇーと思え。 この学園でまともな生活してみろ。普通に組の事も忘れて、楽しんで生活してみろ…ついでに言っとくが、てめぇーの婿になる奴は組を継いでもらうからな。』 恵士の言う理由を静かに聞いていた琴音は、ドアの方を一瞥し 「ご安心を。組の事は知りませんが、もう気になる方が居ますので。」と言った。 するとドアの方でガタッと音がした。
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