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琴音は風月に手をひかれながら歩いている。
恍輝は琴音より数歩後ろを歩いている。
とってもカッコいいとされ、人気もある四人の男子の二人と一緒に行動している為か、周りの視線(特に女子の視線)がめちゃくちゃ痛い。
(あー…どうしてこんな目に…)
心の中で落胆していると、女子の中でも気が強い部類に入るのだろう、その子たちが腕を組みながら目の前まで来た。
『なんでアンタみたいな"ブサイク"が如月さんや水無月くんと一緒に行動してんのよ?マヂ有り得ないんですけど、手なんか握ってもらっちゃってさ?何様のつもり?』
私はキレそうなのを必死で堪えた。
"迷惑は掛けられない"
頭の中でその言葉がグルグル駆け巡る。
怒りを堪える為、俯いていると彼女たちは何を思ったのか大声で喚き出した。
『何?まさか何も言えないとか?ちょーウケるんだけど、黙り込んでか弱さでも出してるってか?…あー分かった、男子が居る前では大人しくて言うことには何も逆らえませーん的な感じとか?マヂウケるー!!』
そんな事をベラベラ言われて黙ってる程私は偉くなけりゃ大人しくない。
だって、家がアレだからね?
『…っさいな』
言葉を発しようとしたとき、後ろから低く怒りを含んだ声が聞こえた。
私は誰なのかと振り返ろうとしたのだか、それは叶わず前に居る彼女らが唖然としていた。
そして、遠くにいた人たちも黄色い声をあげたり、コソコソ話す声があったりと様々な反応を示した。
ま、それは当然の事だと私も思う。
実際自分が一番びっくりしてるもの。
振り向けなかったのは後ろから私を抱き締めてる人がいるから。
手は…うん、まだ握られてる。
ってことは…恍輝くんかな?
そんな事を考えていると、後ろからまた声がした。
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