deux.-2-

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『アンタらさ…うっさいんだけど?』 後ろから発せられた低く怒気をはらんだ声に、前に居る彼女らは固まってしまって。 もちろん、私だって一応女だからビックリもするし…"怖い"って思ったりもするわ。 だから、内心私もビクビクしてるの。 けれど、その震えそうに怖い状況でも大丈夫なのは…後ろから恍輝くんが抱き締めてくれてて、こんな状況なのに風月さんは手を繋いだままで居るから。 「……。」 ここまでしてもらって台無しに出来ないからと、必死で琴音は我慢をしていた。 『おや、“姫”?どうなさいましたか?』 そして、風月はここぞとばかりに奥の手を使う。 『えっ!?…姫なの!?ヤバッ…。…ごめんなさい!!』 琴音に突っ掛かってきた彼女たちは、“姫”という言葉に反応して即座に謝った。 「えっ、あっ、あの別に気にしてませんので。」 琴音の言葉に、彼女らは座り込んでしまった。 恍輝は、もう大丈夫だろうと琴音を解放した。 琴音はビクッと反応したものの、解放されて安堵する。 『アンタらさ、人見下してばっかだと、自分にかえってくんぞ?』 恍輝は捨て台詞を残して、風月と琴音を置いてスタスタ進んで行った。 風月は『やれやれ』と心の中で嘆息しつつ、琴音を連れて恍輝の後を追ったのだった。
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