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スタスタ先を行く恍輝を追いかける風月と琴音。 『ちょっとペースを落としてもよろしいのでは?』 そんな琴音たちを気にせず先に進む恍輝に、風月が言った。 すると、恍輝は急に立ち止まった。 そのため、琴音を引っ張って歩く風月が止まり、風月についてくのがやっとな琴音は、見事よくある背中にぶつかるというベタな事をやってのけた。 「イタっ…急に止まらないでくださいよ。」 鼻をさすりながら、軽く文句を言う琴音。 『すいません、恍輝が立ち止まったものですから。』 風月は、さも恍輝が悪いと言いたげな雰囲気を醸し出す。 『…さっきは、悪かったな。』 風月の言葉を、華麗にスルーして恍輝が言う。 何の事だかわかってない琴音は、首を傾げる。 『…抱きしめて、悪かった。』 その言葉で、ボッと琴音の顔がリンゴみたいに真っ赤になった。 『おやおや、姫、顔が真っ赤ですが?』 解りきっていることをわざわざ口にする辺り、風月は腹黒いのかもしれない。と琴音は心の中で思いつつ、口にはしない。 「真っ赤だなんて、わざわざ言わなくてもいいじゃないですか!!仕方ないじゃないですか、こう見えて女の子なんですよ?抱きしめられたら、真っ赤にもなりますよ!!」 琴音はあたふたしつつ、そう言う。 恍輝は苦笑し、風月は小さく笑っていた。
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