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「はい、今日からこの学園に通う柊 琴音です…えーっと先輩ですよね?」 琴音は丁寧にお辞儀をしながら、答えて質問すると。 『…この学園に先輩・後輩関係はない…が大半の女子が“先輩”や“様”を付けてくる』 『因みにクラスは特別・一般で大きく二つに分かれてて、特別の中で何クラスかに、一般の中で何クラスかにって感じでクラス分けされてるよ』 恍輝が言った後に付け加える様に朔が答えた。 「そうなんですか…えーっと…」 琴音が困っていると恍輝が小さくため息をつきながら跪き、琴音の手の甲にキスをし言った。 『申し遅れました、俺は水無月 恍輝(ミナヅキ コウキ)と言います…』 「えっ!?ちょっ…」 琴音は慌てながらもどうすれば良いかわからず、小さな声で「よろしくお願いします…」と言うと。 『悪いな、この学園の決まりなんだよ…。編入生が可愛ければ…まぁ自己判断だが名を名乗る時は跪きするってな』 恍輝が悪そうに言うと琴音は驚きを隠せず軽く大声を出して。 「えぇ!!??可愛い!?んなアホな…有り得ませんから…」 『恍輝…この娘面白いね』 朔は恍輝の耳元で言うと『ただの馬鹿なんだろ』と返す。 「びっくりした…水無月先輩って呼んで良いですか?…そちらの方は?」 落ち着いたのか琴音は深呼吸しながら、二人に問う。 『俺は普通に恍輝で良い。弟が居るから被る。ついでに言うと弟の名は梭樛(サツキ)だ。』 と恍輝が言うと、朔が琴音の前で跪き、恍輝と同じ行動を取り、質問に答えた。 『俺の名は睦月 朔(ムツキ サク)と言います、よしなに。』 「こちらこそよろしくお願いします、えと…恍輝…君と睦月…先輩。」 しどろもどろに答え、恍輝は新鮮だなと感じ、朔は不機嫌そうに顔を歪めた。 『なんで、恍輝は“君付け”で俺は“先輩”なんですか?』 「えっ…恍輝君は、ご兄弟が居るから…睦月先輩は…『朔で良いよ』」 琴音の言葉を遮り、朔は言った。
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