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『俺の事は朔って呼んで下さいますよね?』 琴音の言葉を遮って、笑顔+敬語で朔が答えると、琴音は少し震えながらも逆らうと後が怖いと分かったのか素直に「はい…わかりました」と答える。 『ありがとう♪』 やはり笑顔でお礼を言われ、琴音は朔という人物をなんとなく理解し始めた。 『で、どうすんだ?面倒だが迷ってるんなら理事長室まで案内するが…。』 『…ダメだよ恍輝。この娘に目を付けたのは俺が先なんだから!琴音、俺が案内するよ?』 「あ、ありがとうございます…二人にお願いしたいのですが…ダメですか?…朔君」 琴音は恍輝の申し出も朔からの申し出も断らず、二人にお願いしたいと朔に言うと。 恍輝は驚き目を見開き、朔は少し不機嫌そうに顔を歪めるが、『仕方ないか、良いよ』と答えた。 「ありがとうございます!!…にしても今更って気がしますが、お二人ともカッコいいですね」 朔の答えにとても嬉しそうにお礼を言う琴音を見て、恍輝も朔も反応が大袈裟だなぁと感じつつ、急に言われた言葉に恍輝は固まり、朔は『へぇ~…』と意味ありげな言葉を残す。 「恍輝君は、背が高いしガタイも良いし…言葉遣いも割りと丁寧だし…朔…君は、笑顔が素敵だし、元気で明るいし…ってあれ?なんで立ち止まってるんですか?」 琴音は二人が立ち止まってる事も気付かずに、説明していると反応がない事に気付き振り返ると、朔は言われた事が嬉しいのかとても笑顔で、恍輝は…やはり固まっていた。 『琴音、君は見る目があるよ…ありがとう♪』 『…ありがとう、自分をちゃんと見て評価したのはお前が初めてだ』 朔は素直にお礼を言い、恍輝は少し間があったものの嬉しそうにお礼を言った。
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