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そして、もう一人の少年に歩み寄り「君は梭樛…君だよね?」と聞くと。
『…僕は水無月 梭樛(ミナヅキ サツキ)と言います、よろしく』
質問に答えぬまま、(一応)嫌そうに三人がした行動をし、これまた嫌そうに自己紹介をした。
すると恍輝は梭樛の頭を軽くぶった。
『…いてッ!』
『態度が悪い、一応琴音は【姫】に当たるんだ。もう少し考えろ…。』
琴音は頭の上に?マークを並べながらも、恍輝に言った。
「大丈夫だよ、梭樛君は多分あたしに妬いただけだし…そうでしょ?」
『なッ!なんで僕がアンタに妬く必要があんだよッ!!』
梭樛は図星だった為に少々慌て、琴音以外の二人は驚きを隠せないでいた。
…もちろん、風月は驚くどころか全く動じておらず、三人の光景を眺めていた。
「ん…梭樛君が最初に恍輝君に声をかけた後、軽くこっちを睨んだでしょ?“私の彼に近付かないで”って感じで…だから妬いて態度が悪いのかなってね」
とても鋭く的を射た答えに梭樛は口をパクパクさせ、朔は感心し恍輝は納得した様に頷いていた。
『お取り込み中失礼しますが、そろそろ理事長室に入らねば後が怖いのでは…?』
風月は全く興味なさげに今すべき事を伝えると。
朔と梭樛がビクッと肩を震わせた。
琴音(変わった人ばっかだなぁ…)
琴音に関しては別の事を考えていた。
―トントン
『…入りな。』
『失礼します、遅れて申し訳ありません。―黒珠(クロス)理事長』
理事長の勇ましい返事に、風月は遅れた事を詫びるとあの勇ましい返事を幻聴とさせるかの様な美しい女性が椅子に座っていた。
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