451人が本棚に入れています
本棚に追加
埃臭い建物。
華やかさから一夜で堕とされた廃墟。
見えるのは、一面の、闇。
そこに賑わっていた頃の面影は跡形もなく消えている。
そこには、もう、笑顔など、なかった。
その廃墟郡に、ひとつ・・・否、一人の鳥が舞い降りた。
誰も、何も近づけさせないその細い肢体は、黒が印象に残る。
その黒の中に見えるのは、透き通った白。
その奥は、誰も触れられない。見ることが出来ない。
そんなことは、誰にも出来なかった。
今日、までは。
最初のコメントを投稿しよう!