Ⅰ.短くて長い、ほんの刹那。(暴力表現有/シリアス

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埃臭い建物。 華やかさから一夜で堕とされた廃墟。 見えるのは、一面の、闇。 そこに賑わっていた頃の面影は跡形もなく消えている。 そこには、もう、笑顔など、なかった。 その廃墟郡に、ひとつ・・・否、一人の鳥が舞い降りた。 誰も、何も近づけさせないその細い肢体は、黒が印象に残る。 その黒の中に見えるのは、透き通った白。 その奥は、誰も触れられない。見ることが出来ない。 そんなことは、誰にも出来なかった。 今日、までは。
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