『招待状』

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 母親がトイレに起きた。  息子の部屋から漏れる光に  ため息をつく。  閉まりきっていない  ドアを開け、部屋に入る。 「また電気を消さないで寝て!  …………?」  異変に気付く。  いつもなら  自分の声に気付き  寝ぼけながらも  ベッドに潜る息子が、  机に伏せたまま  起きる気配もない。 「ちょっと、  こんなところで寝ないで」  身体を揺する。  ────どさり。  息子の身体は  そのままイスから崩れ落ちた。 「!!!」  必死に名を呼ぶ母親の声にも  息子が目を開けることは  二度となかった。
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