第一章

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寒い冬の朝でした。りんごは毛布に包まってすやすや寝ている時間です。「コンコンコンコン」窓ガラスをたたく音がします。 「ん?」「コンコンコンコン」目を覚ましたりんごは恐る恐る窓辺に近づきました。「助けてください。りんごちゃん」泣きそうな声には聞き覚えがあります。 そう、いつも一緒に遊んでいる仲良しのリスでした。「こんな時間にどうしたの?リスさん」りんごはびっくりして窓を開けて凍えているリスをお部屋にあげて毛布をかけてやりました。リスはぶるぶる震えていましたが、しばらくすると落ち着いた様子で話始めました。 「実は僕たちの家が壊されそうなんだよ」 リスの家は町の古い時計台の隣にある大きな木の中です。色んな動物が住んでいて地下にはもぐら、冬眠中の熊、一階にはポチ、そしてリスの家は10階でした。最上階には木の主が住んでいるという噂でしたが誰も見たことはありません。だって最上階は雲の中なのですから。 「隣の国の王様があの木で作った船で旅をしたいって言い出したんだ。その船なら星の国に行けるらしいんだ」
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