何で?

21/22
849人が本棚に入れています
本棚に追加
/80ページ
「それじゃこれからのことを説明するぞ。レッスンは明日から始める。歌はすでに完成してるから、それにあわせてダンスと歌のレッスンだ。歌はテストさせてもらったが、ダンスはまだ見てないからな。まずはダンスレッスンから始めるから、各自動きやすい格好を準備するように」 綾さんは連絡を終えると、厳しい表情から柔らかい微笑みを浮かべ、 「期待してるわよ」 綾さん(裏)から元の綾さんに戻った。 「…今日はこれで終わりですか?」 俺はそう訊くと、 「いいえ。これからあなた達の歓迎会よ。ちょっと待ってね」 綾さんは携帯を取り出すと、電話をかけた。 相手が出たのだろう。 綾さんは俺たちから少し離れて通話している。 「そういえばさ、隼人はどこの高校に行ってんの?」 KY野郎は隼人に話しかけていた。 「ここから近くの所ですよ。坂上(サカガミ)高校です」 「坂上?それって結構レベル高いとこじゃないか?」 確か、俺の記憶だと挑戦しようという気すら失せるレベルだった気がするが。 「いえいえ、平均より上という位ですよ。昶達はどこの学校ですか?」 「俺達は城北(ジョウホク)だな。城北学園」
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!