透の想い

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「─…冗談だろ?」 「嘘ついてどうする。」 「いつから…?」 「物心ついた時から。」 「でもお前…そんな素振り一度も─…」 「お前がいたからだよ。」 俺は、全身の血の気が引いていく衝動に襲われた。視界から色が消えて、白と黒だけの世界に変わった。 「お前が…咲を好きだって気付いてた。だから、言わなかった。」 シゲルは溜めていた何かを吐き出すかのように、「ふぅ…」と一息ついた。そして、放心状態の俺に向かって言い放った。 「でも、それも今日までだ。」 …なぁ、大切な人と傷付け合わなくちゃ手にする事ができない恋なんて…する意味あんのかな? 誰か教えてくれよ…。
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