再会、そして、さらなる深みへ

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 「男子校に変な噂があるの知っているかい?」    本当かどうかは知らないが、男子校は、女っ気のない所のせいか、あらぬ方向に行く奴らもいると聞く。    まだ伯龍は、学校が終われば女に会えるが、全寮となれば、話は別だ。    「ホモの巣窟ですか?」    「そうだ。見ての通り、我が息子ながら可愛いからな。伸嘉は。そういった連中に狙われるんじゃないかと思って。」    まったく、同じ顔した親が言う事かよ。    しかし、普通の男のトオルから見ても可愛いと思ってしまう。    目がクリクリしてて、鼻筋もしっかり通ってて、濡れた唇も小さく、さながら小動物系って感じ?    「そこでだ。君にもうちの学校に入ってもらって、伸嘉を守って欲しい。」    (はぁ?学校に入ってって。)    トオルは、中学を卒業したら、就職しようと考えていた。    養護施設も義務教育が終われば戻れなくなるから。    「お前、就職とか考えてるだろ。だが既に願書提出済だ。」    「な!?」  
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