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「今は里親だが、俺は本気で養子にしようと思ってる。民生委員の人が、十六になったらいいだろうって言うからな。高校入りゃ、それまでうちにいるだろ?」
(なんだ?俺の心もろバレじゃん)
「こいつは、俺に似て頭は良い。特待生でいけるだろ?」
本当の親子じゃないのだから、似るはずないのにと思いながら、トオルは、額に手を当て下をむく。
(この養父にはかなわねー。)
「しっかし。ムカつくのは、身長だな。本当の親父はどんだけデカイんだ?今はいいが、まだ成長途中ときたもんだ。そのうち俺よりでかくなるだろ?」
三上の養父は、四十に片足突っ込んだ年だか、百八十は越えている。
顔もトオルに負けず劣らず、二枚目イケメンときている。
(この先、三年も男だけの生活?最悪だ。)
養父に頭が上がらないと思ったトオルは、黙って話を聞くしかなかった。
「こいつは、女に不自由してないから、わざわさ男に手をださんだろ。」
(おーい!何故そんなことまでしってんだ?)
トオルは、心の中でツッコミを入れるしかない。
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