再会、そして、さらなる深みへ

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  ※    半年後、まんまとはめられ、トオルは全寮制の高校に入れられた。     ご親切にも、伸嘉と同室。    本来は、上下関係を学ぶために、上級生と一緒の部屋なのに、親が理事長じゃどうとでもなる。    クラスも一緒で隣同士。    (何で俺が子守りしないといけないんだ。)    考えてこんでいたトオルは、誰かが隣に来たのに気付かなかった。    「あんたデカイな。拓とどっちがデカイのかな?」    「あぁ?」    「わりぃ。俺、今井大地(いまい だいち)。あんたは?」    「俺か?三上トオル。こっちは蒼井伸嘉。」    (なんだこいつ。随分馴れ馴れしな。)    「トオルに伸か。で、変な事聞くけど、トオルってトラウマある?」    少しトオルの顔が歪む。    (初めて会った奴にそんな事解るか?)    「俺の友達と同じ目してるから。さっき言った拓っての。今年伯龍に入った奴。」    トオルは、席に座り、大地の話を聞く事にした。    伯龍に通うようなお坊ちゃんが、自分と同じ目をしているのが不思議でならない。  
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