何故?今ごろになって

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 トオルは、伸嘉を大地にまかせ、ある場所に向かう。    伸嘉の父親は、普段会社員だ。    学校の理事長は副業になるのかな。    「すみませんが、伸に携帯持たせません?」    「何故だね?」    今どき携帯持ってない高校生もめずらしい。    「もし俺が側にいない時に連絡付くとありかたいし、週末以外でも息子さんと話が出来ると思いますが?」    親バカを利用するのが一番。    「分かった。用意しよう。で、大丈夫そうかね。」    「ま、友達が出来まして、二人でしっかりお守りさせていただいてますよ。」    一ヶ月弱たつが、今のところ、それらしい奴らには出会っていない。    トオル達がいるから近付けないだけかもしれないが。    トオルは、用件だけ伝えて帰った。    帰り道、目の前に見覚えの姿があった。    見間違えるはずがない。    少しふっくらとし、全身ブランド物を身につけていたが、目の前に現れたのは、紛れもなく、母親だった。    (か、母さん?)    トオルは、一歩下がり、逃げようとしたが、見つかってしまった。  
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