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数日後、突然養父からの帰れコール。
トオルが家に帰ると見たくもない姿があった。
「トオル。この間の返事聞かせてもらえるかしら?」
「俺は、ここを離れる気ないよ。」
だが母親はトオルの話を聞かず、養父に話をした。
「この子は私の子供です。返していただけないなら、警察に言いますよ。」
愛情のない親の所に戻るより、血は繋がってなくとも愛してくれる人の方がいい。
「トオル。本当にいいんだな。」
養父の言葉を黙って聞く。
「何があっても傷つかないか?母親が何故現れたか聞いても。」
トオルは、ハッキリと頷く。
「だ、そうです。」
養父は、テーブルの上に数枚の書類と、封筒を置く。
「これが目的でしょ。」
トオルが母親と再会してから、家に電話がかかってきた。
息子に会わせてくれと。
それがおかしいと思った養父は、身辺調査をしてもらった。
トオルの母親がどんな生活してきたのか、何故電話をしてきたのかを。
「ま、条件として、その書類にサインしてもらいます。」
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