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(俺を捨てただけじゃ気が済まないのかよ。)
「お前に会った日に尾行して、家が金持ちだと思ったらしい。」
「じゃ。初めから金が目的?」
「だろうな。だから誓約書なんだ。もう要求出来ないようにな。これで本当の親子だ。」
(だから、傷付くなと言ったのか。)
「本当は、お前がいない時に渡そうと思ったが、お前には、すべて知っておいて欲しかったから。」
養父は愛情だけでなく、いろいろな事を教えてくれた。
本気でトオルにぶつかってくれた。
それが何故か嬉しくて、養父に抱きついた。
「何?重いよ。ま、いいか。お前の愛情表現は四歳児だからな。出来ればもう少し可愛い子にしてほしいね。出会った頃のお前みたいな。」
「あぁ?養父は変態か?」
二人で大笑いした。
やはり、親の大きな手で頭を撫でられるのが嬉しいと思ったトオルだった。
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