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父親たちは、伸嘉の家で酒を酌み交わしていた。
「じゃ。正式に離婚か。」
「そうだな。元々見合いで結婚したけど、お互いに好きな奴と結婚出来ないから、偽装だしな。」
浩一は、十年前、親の進めでお見合いをした。
最初は乗り気ではなかった。
相手の口から結婚出来ないといわれ、理由を聞いたら、結婚する気になった。
好きな相手がいるのだが、妻子持ちだから、親にも紹介出来ないと。
浩一も結婚出来ない相手だか。
夫婦を演じながら、恋人達と別れなかった。
親達は、古い人達だから、五年も経つのに子供が出来ないのと聞いて来た。
妻に嫌な思いさせない為に、自分が種無しだと嘘をついて、養子をもらうと言った。
で、出会ったのがトオルだ。
里親になるには、それなりに厳しかったけど、妻も一緒に頑張ってくれた。
妻の相手が離婚し、一緒になりたいと言っていたが、養子縁組が成立するまではと我慢もしてもらった。
後三年は妻を縛るところだった。
「まさか、こんな早くなるとはな。」
「ね。トオル君には話したの?」
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