257人が本棚に入れています
本棚に追加
伸之は、酒を持ったまま、浩一の隣に座る。
「時期が来れば話す。あの二人が俺達みたいになれたらな。」
「本当になるかな。親友にはなるかも知れないけど、その先はな。」
昔は本当にただの親友だった二人。
伸之の妻が亡くなって一年が過ぎた頃、久しぶりに会った二人は、良く一緒に酒を飲むようになり、自然と愛し合うようになった。
二人は、恋人同士になった。
傷心に付け込んだ形だ。
「大丈夫た。」
「どっからくるんだ。その自信は?」
「俺は昔から有言実行男だぞ。俺の夢は、四人で暮らす事だ。それより、今は居ない息子達より、こっちの息子の心配してほしいね。」
酒をサイドテーブルに置き、自分の股間を指差す。
「今日は話しだけじゃなかった?」
伸之は、ジャケットを脱いでベッドに乗る。
「お前だってその気じゃないか。」
どちらともなく唇を合わせる。
より深い所に舌が届くように、何度も合わせる向きを変えながら。
「浩一。もっと。」
伸之が、離れて行く浩一の顔を名残惜しそうに見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!