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どこに何があるのかがわかっているのか、手際がいい。
夕食を食べ終わると、ようやく、浩一が口を開く。
「今日から、四人は家族だ。」
「はぁ?」
「ま、平日は俺達二人の愛の巣だが、週末は四人で過ごす。」
(愛の巣?)
トオルは、椅子がひっくり返るほど、後ろに仰け反り驚いた。
「今、何言った。親父。」
「ん?愛の巣?」
「だから。何だっての。」
「言ってなかったか?俺と伸之は付き合ってる。お前達みたいにな。」
トオルと伸嘉は、二人で吹き出した。
「やはりな。当然ちゃ当然か。」
「なっ!?」
二人が付き合い始めるて日が浅いのに、何故ばれたのか不思議で仕方ない。
「バレないと思ってたか?こっちは何年同性愛を続けてると思ってる。十年だぞ。」
「十年?」
(俺を引き取る前。結婚前から?)
「俺の夢は、四人で暮らす事だ。その為なら何でもするぞ。」
「二人は、自分達の意識で、自然に結ばれたと思ってるでしょ。」
伸之の問に、トオルと伸嘉は頷く。
「多分違うよ。浩一が色々画策してたからね。」
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