俺の過去

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 「蒼井(あおい)です。」    蒼井と名乗る少年は、さっきまでの怯えは消えていた。    (何故簡単に人を信じられるんだ。俺と違って普通に両親に愛されて育ったんだろうな。)    トオルは少し、胸が苦しくなった。    父親もいなく、母親に捨てられたトオルには羨ましかったのかもしれない。    その時は気付かなかった。    その胸の苦しさが、嫉妬や妬みから来る物ではない事を。
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