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「どちらを食べようかしら?」
アリスはピンクの器と水色の器、それぞれを手にとる。
「?…窮屈ね」
気が付けば不思議なことに、どんどんと周りある家具が縮んでいっている。
さっきまで横になっていたベッドは腰をかけるのが精一杯。
【部屋が縮んでる?】
【あぁ、逆ね】
アリスは焦りながら、唸りながら両手を交互に見比べる。
【大きくなって、ここを一気に壊して進む?】
ピンク色の液体が入った器をかかげる。
【小さくなって、扉を開ける?】
水色の液体が入った器をかかげる。
大きくなったところで、ここが壊れる保証は無い。
小さくなったら危険があるかもしれない。
けれど、このままにしたらドンドンドンドン大きくなって────……
ぺちゃっ
そんなことを考えて背筋を冷たくさせた。
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