耕平君の長い一日 『不自然な朝』

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ママ、居ないのかな? でも、カチャカチャと音がする。 音のする方へ眼を向けると、リビングダイニングに面したカウンターキッチンでママを発見した。 「ママっ! なんで起こしてくんないんだよ?! 遅刻しちゃうじゃんか!!」 ママは不思議そうに僕を眺めた後、無視して洗い物を続ける。 ……ん? いつもと対応が違う。 なんか機嫌悪いのかなぁ……? ママの雰囲気で、怒る気力も無くした僕は、いつものようにダイニングテーブルへ視線を向けた。 すると、毎朝必ず用意してある物が無いことに気づく。 「ママ、朝御飯は?」 「……? 無いわよ」 絶対に、いつもと様子が違う。
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