耕平君の長い一日 『夜のプール』

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(1)  夏の日の出はすごく早い。 ……とはいっても、まだまだ時間はたっぷりある。 誰もいない、真っ暗な小学校のプール……。 「おいっ、耕平!! あんまバシャバシャ音たてんなよ!」 「ごめん!ごめん!」 「ピーも早く入って来いよ! 気持ちいいぞ!」 この日僕たちは、以前からの計画をとうとう実行した。 3人だけで、誰にもばれないように、小学校のプールで遊ぼうって……。 当然、親にも内緒。 もし、学校に見つかったって、ねちねち時間を賭けて怒られたりしないだろう。 なんたって、あさってから夏休みなんだから……。
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