部屋の羽虫 ～人類滅亡のシナリオ～

耕平君の長い一日 『夜のプール』

今回初めて、健ちゃんの悪い誘いに乗ったけど、なんかスリルがあって癖になりそう……。

小学５年生にもなったし、ちょっと不良になった気分。

僕たちは日の昇る直前まで、思う存分ハシャぎまわった。

“ばれたら怒られる”
そんなこともすっかり忘れ、みんな水しぶきを上げて大はしゃぎ……。

やがて、徐々に東の空が薄明るくなってゆく。

楽しい刻は過ぎるのが早いなぁ……。

そんなことを考えていると、健ちゃんが声を掛ける。

「そろそろ帰るか？」

日の出って、いつもこんなかんじなのかな……。

初めて見た夜明けは、想像よりも随分紅く、少し気味が悪い。