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「ねぇ、最後に誰が一番長く潜ってられるか、勝負しようよ?!」
僕の提案に2人は目を合わせ、口元を釣り上げた。
「いいぜ! やろう!」
「負けたヤツが帰りの荷物持ちって……、どう?!」
思いがけないピーの提案にびっくりしたけど、僕と健ちゃんは顔を遭わせて笑みを浮かべて、大きく頷いた。
「いい度胸だな!」
嬉しそうに、健ちゃんが笑いながら云った。
「じゃ、いくよ! 1・2……」
“ドブンッ”と、一斉に顔を沈める。
真っ暗な水の中、目を開けて、2人を確認しようとした直後のこと。
まるで生き物のように水がうねり、躰が自由に動かなくなる。
同時に、空から降り注ぐ強烈な閃光と、風船が割れたような甲高い破裂音、肌に突き刺さる静電気みたいな痛みに驚き、慌てて水面へ顔を出した。
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