耕平君の長い一日 『夜のプール』

8/11
前へ
/109ページ
次へ
(2)  帰り道、喉が渇いた僕たちは、大きな国道に面したコンビニへ立ち寄った。 こんな時間なのに、近所の不良が4人、入り口わきの駐車スペースでたむろしている。 「ガキが、こんな時間に何してんだ?!」 とんでもなく濃い化粧をしたお姉ちゃんが、眼を吊り上げて云う。 無視して店内へ入ろうとしたけど、別の金髪のお姉ちゃんに健ちゃんが腕を掴まれた。 「おいっ、こいつ健太だぜ! てめえ、海パン一丁で何やってんだ?! 身体は濡れてるし……?」 金髪のお姉ちゃんがにやけながら云った。 後ろの不良たちも大口を開けて笑う。 「お前ら、学校のプールへ忍びこんだんだろ?!」 しゃがみこんでる、ジュースの缶を口にくわえたお兄ちゃんがからかう。 バレてる!? なんか怖い。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

78人が本棚に入れています
本棚に追加