透明メガネ

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透明メガネ

ずっと変だとは思っていたけど、僕の透明メガネは周りの人と違った世界を映し出すらしい。 お笑い大好きな僕は、ミンナが僕を笑うとギャグを言った覚えも無いのに、自分のネタがウケた様な気がして何となく嬉しかった。 時々見かける誰かの少しイジワルな笑い方にも気付かないフリをして僕も一緒に笑ってた。 僕は日本生まれの日本育ちだけど、日本語はあまり得意ではない。 僕は小学校に上がるまで単語の1つですらまともに話す事は出来なかった。 言語訓練で教えて貰った《マカトン》って言う手話みたいな話し方は毎回すぐに覚えたけど、何故か言葉が形にならなかったんだ。 あ、聞いてる言葉の意味は解ってはいたんだけどね。。 ある日親戚の叔母さんが、こんな僕を見て異常だから別の病院へ行くべきだと言った。 ママは僕の個性だからと、そのうち普通の子と同じ様に話せると信じていた。 病名とか診断名を聞くのが怖かっただけかもしれないケドね。 今になって思えば、その頃の僕に言葉は、それ程重要なモノではなかった様な気もする。
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