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ママの期待通り、小学校へ入学した僕は、あっと言う間に単語から2語文、3語文と使いこなせるようになった。
使い慣れてないから、言葉に詰まったり、外国人みたいな発音になる時もあるけど、それなりに会話と言うものを楽しめる様になった。
僕の問題は解決したワケじゃ無かったんだけどね。
小学校に入学した僕は、朝の会が終わると毎日【ひまわり】と呼ばれる特別支援学級に行く事になり、音楽と体育、給食と帰りの会の時だけ1年2組。
保育園時代から仲良しだった真(しん)ちゃんやミンナは、そのまま教室に残って授業を始める。
「いってらっしゃーい。」と見送ってくれる同じ組の友達は優しい子が多くて大好きだったけど、教室移動用の手提げに教科書やのーとを詰め替え2組を後にする時の寂しさは、今思い出してもチョット切ない気分になるよ。
言葉を話す事は出来なかったけど保育園に行ってた時は、いつもミンナと一緒だった。あの頃は言葉を話す事が出来なくても、お気に入りの友達と行動を共にする事で気持ちと気持ちが繋がっていた気がする。
でも、言葉を喋れるようになった今、ミンナとは違う教室へ通う僕。
よく分からなかったけど、何かが僕と友達の間に出来た気がしたんだ。
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