4/25 学校での暇潰し

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国語辞典、漢和辞典、広辞苑、四字塾語辞典、外来語辞典、妖怪図鑑。 生華「ふー、こんなもんかな」 僕は、さっき拾った紙の文字が読めなかったので図書館で調べるところである。まあ、たぶん読み方じゃなくて意味を知らなければならないのだろうが。 10分程、ぺらぺらとページをめくって調べているが、全くたどりつかない。少し疲れたので手を休め、座ったまま背伸びをすることにした。 生華「んー。ハア。全くなんでないんだ。やっぱり読み方が違うのかな?」 とは言っても、始まって5分くらいのときに漢和辞典で読みは確認したので、大分絞られてくる。 生華「考えられるのは、『かいかり』・『あやかり』・『かいしゅり』・『あやしゅり』。または、当て字か。」 読み方が分からないのは、国語が苦手だからというのは間違っているようだった。まあ、国語だけが苦手なわけではないのだが。 そんなことを思っていると前から急に話しかけられた。 ?「よっ!久しぶり生華。珍しいね。図書館にいるなんて。」 生華「ん?あれ?えと・・・あ!誉麻理 加奈(ほまり かな)か。久しぶり。中学以来だな。」 加奈「あー!今、思い出したでしょ。ひどいよ。あたしは覚えてたのに。」 生華「はいはい。僕が悪かったよ。このとおり」 僕は座ったまま、軽く頭を下げて冗談っぽく謝った。 とはいっても、中学の卒業式に会ったのが最後だから、若干忘れていても不思議はないと思う。 加奈「まあ、思い出してくれたなら、許してあげる。本題に戻るけど図書館でなにやってんの?」 生華「見てわかんないか?」 僕は、目の前の辞書の山を見せつけ、聞いた。 加奈「うーん・・・あ、分かった。エッチな単語調べてるんでしょ」 生華「は!?」 ドタバタ 僕は、予想外の答えに思わず椅子から倒れた。そして体制を立て直し、答えた。 加奈「図星?、もしかして図星!?」 生華「んなわけあるかー!なんでそんなことわざわざ、図書館にきてやらなきゃいけないんだよ。!」 そういうと、不思議そうな顔で加奈が聞いてきた。 加奈「?じゃあ、何やってんの?」 生華「分からない単語があるから調べてるんだよ!」 一体、加奈は目の前の、辞書をどんなものだと、思っているんだ。さっきの加奈の発想だと使えるのは国語辞典だけだろ。その発想で妖怪図鑑の使い方が知りたい・・・ 加奈「ふ~ん。ちなみに何て言う単語?」
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