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「……覚えて、ないの?」
「なにが?」
首を傾げる俺にカメは、血相を変えて質問攻めをしてくる。
「スタジオ出た後どうした?何があった?怪我した理由分からないの?ねぇ、…ッ思い出せよ!大切な人と一緒だったんだろ!!?」
「痛いっ、ちょっカメ、痛い、離せよ」
肩を激しく揺らされて痛いし意味分かんない。何でそんな慌ててるわけ、俺、なんかした?
俺から手を離したカメは、ハッとしたように携帯を取り出してピコピコしだした。
「こ、これ!解る!?」
「は?」
携帯をズイッと見せられた。画面に映ってたのは、写真。確かリハの時に撮ったやつ。てか益々意味解んないし。
「右から、カメ赤西、田口に聖に俺だろ?」
「一番端に居るのは?」
「………スタッフさん?」
「ふざけてる?」
カメの声が低く、唸るように呟かれた。なんでふざけなきゃいけないの。
ってかカメが怖いから、眉を寄せたまま首を振る。
「…本当に覚えて、ないの?」
「知らないんだけど」
カメは目を見開いて2、3歩後ろに下がる。そんな重要な人なわけ?スタッフさんなんでしょ?リハの時に撮ったわけだしさ。
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