記憶

3/4
前へ
/206ページ
次へ
「……覚えて、ないの?」 「なにが?」 首を傾げる俺にカメは、血相を変えて質問攻めをしてくる。 「スタジオ出た後どうした?何があった?怪我した理由分からないの?ねぇ、…ッ思い出せよ!大切な人と一緒だったんだろ!!?」 「痛いっ、ちょっカメ、痛い、離せよ」 肩を激しく揺らされて痛いし意味分かんない。何でそんな慌ててるわけ、俺、なんかした? 俺から手を離したカメは、ハッとしたように携帯を取り出してピコピコしだした。 「こ、これ!解る!?」 「は?」 携帯をズイッと見せられた。画面に映ってたのは、写真。確かリハの時に撮ったやつ。てか益々意味解んないし。 「右から、カメ赤西、田口に聖に俺だろ?」 「一番端に居るのは?」 「………スタッフさん?」 「ふざけてる?」 カメの声が低く、唸るように呟かれた。なんでふざけなきゃいけないの。 ってかカメが怖いから、眉を寄せたまま首を振る。 「…本当に覚えて、ないの?」 「知らないんだけど」 カメは目を見開いて2、3歩後ろに下がる。そんな重要な人なわけ?スタッフさんなんでしょ?リハの時に撮ったわけだしさ。
/206ページ

最初のコメントを投稿しよう!

253人が本棚に入れています
本棚に追加